ショートテニスが優れている点は?
ショートテニスの3つの利点
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中等度の運動強度のスポーツで体力レベルに応じて安全にプレーを楽しめます。
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プレーを行う環境を整備することで健康的なライフスタイルを実践し生活の質の維持・向上が可能です。
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体を動かすことが好きでない人でも運動推奨量を満たす身体活動量が確保できます。但し、日常生活においても活動的に過ごすことが健康維持には不可欠です。
利点1
高齢者は運動強度が高くないスポーツを行うこと、運動強度は徐々に高めることが推奨されています。ショートテニスは、体力レベルの低いシニアでも安全で楽しくプレーできます。具体的には、
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ショートテニスのダブルスゲームは、シニアに適した中等度の運動強度(相対的酸素摂取予備量25.4±14.4%)の有酸素運動です。それぞれの体力レベルに見合う運動強度で体を動かすことができるスポーツです。
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対戦相手やパートナーのテニス技量の組合せを変えることで、運動習慣のないシニアでも楽しさを犠牲にすることなく運動強度を徐々に高めながらゲームに慣れることが可能です。
利点2
ショートテニスは、硬式テニスに比べラリーが容易に続くため体を楽しく動かせるという点や技術レベルが異なっていても一緒にプレーが楽しめる点で優れています。しかし、上達したいという気概を持っていることや信頼できる仲間とプレーできているという自覚があってこそはじめてスポーツを行う価値があります。
継続して行う場合は練習時間や頻度ばかりを気にせず、プレー環境(練習方法や怪我や体調の相談ができる人がいるなどのコート上のプレー環境や家族仲間からの支援などコート外でのプレー環境)の整備を行うことで生活の質(QOL)を維持・向上させることが可能です。具体的には、
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プレー環境を整備は、健康的なライフスタイル要因(自己効力感=できるという前向きの気持ちや社会的つながり=信頼できる仲間)を介して間接的に、あるいは直接的にQOLの維持・向上が可能となります。
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プレー環境がQOLに与える影響の仕組み(メカニズム)は、年齢および性別によって異なるため、プレー環境の整備には年齢や性の違いに配慮を行うことが大切です。例えば65歳未満男性では、競技力向上を実感することによってQOLが高まりますが、65歳以上女性では、上手下手は関係なく元気に仲間とプレーできることがQOL向上につながっています。
利点3
ショートテニスを始める以前に運動習慣がなかった人でも運動推奨量を上回る身体活動量を稼ぐことが可能です。しかし、糖尿病、脂質異常や高血圧などの慢性疾患を持つリスク群では、運動推奨量(1000kcal)を上回る身体活動量を確保していても1週間のエネルギー消費を週末のスポーツだけで賄っている場合、死亡率は運動をしていない集団と変わらないという報告があります。ショートテニスを始める以前に日常生活が低活動で座位時間が多かった人に対しては、潜在的な健康リスクを回避するため、ショートテニスの活動量を無理に増やすのではなく、座位時間を減らすことを勧めています。
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